この世のできごとについて、思うままに呟きます。


by zabu227
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2006年 05月 25日 ( 1 )

 5月19日、河野衆院議長の仲介によって「共謀罪法案」強行採決は回避されたが、その後、NHKニュースに杉浦法務大臣が登場し、「組織犯罪処罰法改正案は政府から再修正案を提出しており審議時間も40時間を越えているので、衆院法務委員会では採決に踏み切るべきだ」という旨の発言をしていた。

 これにはダブルで驚かされた。

 まず、この発言は、法務大臣という法案提出の当事者である行政府の責任者が立法府のあり方に対して不当に干渉するものであり、三権分立を侵害する憲法違反の恐れがあるのではないだろうか、ということ。

 杉浦法務大臣は、弁護士資格をもち、HPのメッセージでは、第二次大戦について「あの戦争はなんだったのか」と長文の個人的総括を紹介しているが、内容はかなりリベラルな印象である。
 この中で、憲法についてではあるが、法律の制定と運用について、次のようなくだりがある。

 [引用開始]
 法律は、いったん制定されると制定者の意図とは無関係に、時代とともに一人歩きを始める。旧帝国憲法の運命もそうだった。明治の元勲たちが健在の間はまだよかったが、彼らが一人去り二人去り、政治の舞台から消えていくにつれて、旧帝国憲法の欠陥は繕い難くなっていく。明治の元勲たちが、元老として政治の実権を掌握できなくなっていくにつれて、わが国家は維新の大業を知らない指導者たちの手で責任の所在の定かでない国家になっていき、やがては、軍部が元老たちに代わってその実権を掌握するに及んで破局を迎えることになる。 

 [引用終了]
 
 このような考えをもった弁護士資格をもつ政治家が、今、「共謀罪法案」の新設という社会のモラル・秩序を一変させかねない、ましてや戦前の治安維持法の現代版とも言われる法律案を躍起になって成立させようとしているのである。

 彼を突き動かしているものは何なんだろう。
 国家主義的信念に基づくものとは思えない。
 齢72歳にして名誉欲か、実績作りか、本当によくわからない。

 次に驚いたことは、NHKがこの問題ある発言を杉浦大臣の画像付きで一方的(対立意見なし)に放送したことであり、これは不偏不党・中立性の原則を規定している放送法に違反しているのではないかということである。

 これでは、まるでどこかの国の政府宣伝機関となんら変わらないし、民主国家を標榜するのであれば看過できない問題ではないだろうか。

 これまでNHKは、「共謀罪法案」関連情報については5月14日の日曜討論でやっと取り上げたもののニュース番組を含めて殆ど放送していない。
 稀に放送しても「共謀罪法案」という言い方ではなく「組織犯罪処罰法改正案」という言い回しをしており、この法案の何が問題となっているのかを故意にはぐらかしているような印象がある。

 いずれにしても、最近のNHKの報道のあり方が政府寄りになっている感じは否めないところである。
 私は、竹中総務相の進めるNHK改革なるものについては利権がらみの胡散臭いものを感じており、NHKの自己改革努力を支持し応援する立場である。だからこそ報道の中立性についてはしっかり堅持し、国民・視聴者の期待に答えて欲しいと考えている。

 因みに、私は、NHKへの意見・要望として、国民の関心事である「共謀罪法案」について特集して放送するよう、過日発信しました。

NHKへ報道の中立性、共謀罪の取り扱いなどについて意見・要望を発信したい人は、こちら

杉浦正健法務大臣へ共謀罪法案の危険性について訴えたい人は、こちら
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by zabu227 | 2006-05-25 23:54 | 共謀罪