サンプロでの共謀罪論議を聞いて
2006年 05月 08日
昨日のテレビ朝日サンデープロジェクトで、「共謀罪」についての与野党による討論が放送されたので、これについてふれてみたい。
連休最終日の日曜日で、連休明け後の国会(衆議院法務委員会)で法案成立に向けて緊迫した攻防が展開されることが予想される時期であり、またこれまでのマスコミの取り扱いが消極的であっただけに、20分ほどの放送であったが、諸事情(政権圧力等)あるであろう中でのこの企画は多とするものがあるし、タイミング的にもよかったと思う。
与野党の政治家は、自民党が逢沢一郎党幹事長代理(衆院外務委員会委員)、公明党が高木陽介党広報部長(衆院国土交通委員会理事)、民主党が枝野幸男党憲法調査会長(衆院法務委員会委員)、共産党が小池晃党政策委員長(参院厚生労働委員会委員)、社民党が辻元清美衆議院議員の5人であった。
出席者の構成としては、「共謀罪法案」の審議の場は衆院法務委員会であるが、同委員会に委員を出していない共産党を除いて、民主党のみが当該委員であった。
委員会審議の現場に立ち会っているものによる議論を期待した私としては物足りなさを感じたが、各党とも政策責任者あるいはそれに代わる立場のものを人選したということであろうか。
司会の田原総一郎は、この法案のもつ問題点(微罪の相談等でも検挙される事例他)をボードを使って客観的に紹介するとともに、この法案の危うさを戦前の治安維持法の成立過程とその後の言論弾圧の歴史にまで踏み込んで指摘していた。
(事例として横浜事件を紹介、詳細は大津留公彦のブログを参照下さい)
これに対する各党の主張は次の通りであった。
自民党は、テロ防止に関する国際条約批准に係わる国内法整備(対象犯罪は懲役4年以上の619程度)であることをことさら強調するとともに、公明党とともに一般の民間人がこの法律によって処罰されることは、組織の定義を修正したので心配することはない、というような主張を繰り返していた。なお、これらは観念的なものでその法文上の根拠が示されることはなかった。(明文の規定はないから当然であるが、知らない人が聞いたらそんなものかと思うのではないだろうか。まさに詭弁であった)
民主党は、共謀罪そのものは認めることを前提として、自公案では権力者の乱用を防止できない観点から、適用される対象を国際テロ組織あるいは暴力団のような組織的犯罪集団に限定するとともに、対象犯罪を懲役5年以上の306程度に減らす修正案を準備している、ということであった。
共産党及び社民党は、この法案が成立すると思想、言論、情報などが権力者により管理統制されるとともに密告社会になり、自由で民主的な社会が破壊されることとなる。従って「共謀罪法案」の成立に反対の立場である、という主張が展開された。
討論の途中、コメンテーターの草間慶大教授から、自民党は民主党修正案には乗れないかとの質問(問題提起?、提案?)がなされたが、自民党からの答えは特になかった。(現時点では当然答えられない)
私は、民主党が修正案を提出すれば、自民党がこれに乗ってくる可能性は否定できないと思う。
しかしながら、この法案については、まだまだ国民的議論が尽くされている訳ではなく、また、与党・政府の進める国家主義的政治プロセスとの関連もあり、今国会では廃案とすることが望ましい。
このためには、民主党は前執行部の残りカスである修正案の提出を断念すべきであるし、断念するよう働きかけを行いたいと思う。
連休最終日の日曜日で、連休明け後の国会(衆議院法務委員会)で法案成立に向けて緊迫した攻防が展開されることが予想される時期であり、またこれまでのマスコミの取り扱いが消極的であっただけに、20分ほどの放送であったが、諸事情(政権圧力等)あるであろう中でのこの企画は多とするものがあるし、タイミング的にもよかったと思う。
与野党の政治家は、自民党が逢沢一郎党幹事長代理(衆院外務委員会委員)、公明党が高木陽介党広報部長(衆院国土交通委員会理事)、民主党が枝野幸男党憲法調査会長(衆院法務委員会委員)、共産党が小池晃党政策委員長(参院厚生労働委員会委員)、社民党が辻元清美衆議院議員の5人であった。
出席者の構成としては、「共謀罪法案」の審議の場は衆院法務委員会であるが、同委員会に委員を出していない共産党を除いて、民主党のみが当該委員であった。
委員会審議の現場に立ち会っているものによる議論を期待した私としては物足りなさを感じたが、各党とも政策責任者あるいはそれに代わる立場のものを人選したということであろうか。
司会の田原総一郎は、この法案のもつ問題点(微罪の相談等でも検挙される事例他)をボードを使って客観的に紹介するとともに、この法案の危うさを戦前の治安維持法の成立過程とその後の言論弾圧の歴史にまで踏み込んで指摘していた。
(事例として横浜事件を紹介、詳細は大津留公彦のブログを参照下さい)
これに対する各党の主張は次の通りであった。
自民党は、テロ防止に関する国際条約批准に係わる国内法整備(対象犯罪は懲役4年以上の619程度)であることをことさら強調するとともに、公明党とともに一般の民間人がこの法律によって処罰されることは、組織の定義を修正したので心配することはない、というような主張を繰り返していた。なお、これらは観念的なものでその法文上の根拠が示されることはなかった。(明文の規定はないから当然であるが、知らない人が聞いたらそんなものかと思うのではないだろうか。まさに詭弁であった)
民主党は、共謀罪そのものは認めることを前提として、自公案では権力者の乱用を防止できない観点から、適用される対象を国際テロ組織あるいは暴力団のような組織的犯罪集団に限定するとともに、対象犯罪を懲役5年以上の306程度に減らす修正案を準備している、ということであった。
共産党及び社民党は、この法案が成立すると思想、言論、情報などが権力者により管理統制されるとともに密告社会になり、自由で民主的な社会が破壊されることとなる。従って「共謀罪法案」の成立に反対の立場である、という主張が展開された。
討論の途中、コメンテーターの草間慶大教授から、自民党は民主党修正案には乗れないかとの質問(問題提起?、提案?)がなされたが、自民党からの答えは特になかった。(現時点では当然答えられない)
私は、民主党が修正案を提出すれば、自民党がこれに乗ってくる可能性は否定できないと思う。
しかしながら、この法案については、まだまだ国民的議論が尽くされている訳ではなく、また、与党・政府の進める国家主義的政治プロセスとの関連もあり、今国会では廃案とすることが望ましい。
このためには、民主党は前執行部の残りカスである修正案の提出を断念すべきであるし、断念するよう働きかけを行いたいと思う。
by zabu227
| 2006-05-08 03:40
| 共謀罪